読んで納得!大麦の基本のき
近年、食生活における健康意識の高まりから、大麦のチカラが注目を集めています。さまざまな商品や媒体を通して、「大麦が健康に関わる大切なもの」であることは何となく知っているけれど、実際に大麦がどういった穀物で、どのようなチカラを持っているのか詳しくは理解していない人も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな大麦の基礎知識と健康な食生活における魅力をご紹介します。
大麦の歴史について
米やトウモロコシと並ぶ、世界三大穀物とも呼ばれる麦。世界的には小麦粉が食事に広く用いられていますが、実は、日本では大麦のほうが、古くから米と一緒に食べられてきたのです。白米のごはん食が一般的になったのは、米の生産量が増えた江戸時代以降と言われています。その時代であっても、米と大麦を混ぜて食べることがほとんどでした。ビタミンを始め、さまざまな栄養成分が豊富な大麦は、昔から日本人の健康を支えてきた存在なのです。
人類史上最古の作物
世界的に見ると、大麦は紀元前6000年頃のメソポタミア地域(現在の中東)で栽培されていたと言われています。そこから世界に広がって、日本には約1800年前に伝わり、奈良時代の頃には作物として人々の生活に欠かせない存在となっていきました。
大麦と小麦の違い
大麦と小麦はどちらもイネ科の植物であり、見た目や構成される栄養素も似ていますが、その含まれるバランスや用途には違いが多く見られます。特に近年、健康食に関連して注目されている「β-グルカン」は、他の麦に比べて大麦が圧倒的に多く含有しているのです。β-グルカンは、水溶性食物繊維と呼ばれ、腸内環境を整えチカラがあるとされています。その他にも大麦が血糖値を下げる働きをするという研究がなされています。
また、大麦の中でも種類が複数あり、麦の性質に合わせて、パンや麺類にするもの、酒類の原料となるもの、味噌などの調味料になるものなど、その用途は多岐にわたります。
大麦の種類
大麦には穂の形の違いによって種類が分かれ、主に私達の食に関連するものとして「二条大麦」「六条大麦」「はだか麦」といったものが挙げられます。
これらの麦を加工した大麦製品が「丸麦」「押麦」「米粒麦」として私達が食べやすい形となって世の中に流通しています。
まとめ
大麦は、古くから日本人の食卓を支えてきた存在ですが、中世日本において白米文化が当たり前になる中で、国内での生産量が減っていきました。しかし、社会におけるライフスタイルが見直され、人々の健康への意識が変わるのと呼応して、その栄養や効能が注目され、今大麦ブームが訪れています。